Carpet Knowledge
ホテルカーペットはウールとナイロン、どちら?
ADA FLOOR デザインチーム · 公開 2026-09-18 · 更新 2026-09-20
ウールは復元性・防炎性・吸放湿、ナイロンは色牢度・耐摩耗・防汚。繊維選びは区域ごとの条件計算です。

要点
ウールは復元性・防炎性・吸放湿、ナイロンは色牢度・耐摩耗・防汚。繊維選びは区域ごとの条件計算です。
- ロビーと客室はウールまたはハイウール混紡。
- 通路は高密度ナイロンが実務上の定番。
- ウール×ナイロン混紡は両者の長所を取り入れる解。
ウールの強みと弱み
天然の縮れが圧縮後の復元をもたらし、ウールは難燃性が高く、吸放湿性は踏み心地に大きく寄与します。弱点は強アルカリや塩素系洗剤に弱いこと、価格が糸番手に連動して上がること、そして沿海部の多湿気候では糸そのものより調湿を設計したバッキングが重要になる点です。

ナイロンの追い上げ
原液着色のナイロンは色・光への堅牢性が極めて高く黄変しません。最新の防汚処理は水溶性の汚れの清掃時間窓を大きく広げます。復元性はポリプロピレンを確実に上回り、トップクラスのウールのみが互角に競えます。通路で求められるのは、五万回の台車の往来の後でも平滑が保たれることです。

混紡は妥協ではありません
ウール×ナイロンの混紡糸では、ナイロンが復元性と耐摩耗を、ウールが質感と燃焼特性を分担し、コストは高番手の純ウールより抑えられます。「混紡=低級」という思い込みは原糸設計を知らない証拠です。むしろ番手も産地も示せない「純ウール100%」表示こそ、立ち入った確認に値します。

二つの繊維を一つのデザインとして見せる
視覚の統一は素材の統一ではなく、柄とパイル高さの体系を共有ことから生まれます。同じ設計案の下でウールとナイロンのゾーンのカラーカードを分け、実照明下で合本サンプルの色差を合わせ、継ぎ目には過渡処理を施します。統一感はデザイン管理の成果であり、繊維の種類とは無関係です。

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